よく知りもしないで

考えることがなくなりつつあって

時間が少しできたので映画をみた

 

『よく知りもしないで』

ホンサンス監督の作品 韓国映画

フランスにエリック・ロメールという監督がいるが

基本的には同じスタイルの作品

人々がやたら話をして 少しもめ事がある

それだけなので 合わない人には全く面白くない

わたしは学生の時 ロメールの作品を何本も見たが

同じくホンサンスの作品もあれば見たくなる

何事も起きないし 何かを得ることもない(と思う)けど

 

ホンサンスの映画では人々はやたらお酒を飲む

飲む たくさん飲む やたら話す 誰かが悪酔いする

韓国人の(韓流ドラマにはない)素の姿が見える

上っ面のきれいな言葉が並んだかと思うと

ストレートな物言いがある

そういうところも お隣の国らしい

 

ただ人を描いている

その人たちは生きている もがいている

うなだれている うぬぼれている ふわふわしている

そういう人たちを見る映画

 

『放浪記』

成瀬巳喜男の作品。「乱れる」も候補だったのに

なぜこっちを借りたのだろう

貧しい境遇の下に生まれた女性の話

貧乏だけどそれしか知らないから

どうしようもないという開き直り

男運のなさ 「書く」ことへの執念

 

主演は高峰秀子

不幸な生い立ち 卑屈さ プライドの高さが

目つき 表情 話し方 佇まいに表れていて

職場にいたら なぜか皆にイライラされるタイプやなぁ

と見ていて悲しくなったのだけど

演技なのだからすごいな

いやいや その顔止めい!と何度も思ったもんな

別の映画をみて 中和しないと

高峰秀子さんのイメージが放浪記の芙美子になってしまう

 

15年くらい前に ナマ宝田明を見てからファンなのだけど

この映画では陰気な役どころで残念だった

明はスター 輝いていてほしい