押入れのなか

先日社内のミーティングがあり

他部署に出向いた

その部署はとあるマンションの一室にある

マンションはファミリータイプで

通された部屋は和室

まさに誰かのお家である

会社の人と集まっているのに

空間はお家

何だか落ち着かない

 

わたしの背中側には押入れがあった

2LDKのマンション=事務所には

ふたりの社員しかいない

いったい何が入っているのだろう

この押入れ

 

ふすまを開けると

ペットボトル飲料の箱が入っていた

なるほど

じゃ こっちは?と反対側を開けていたとき

「興味津々じゃないですか~」

「勝手によう開けるな~」

と続けざまにツッコミが入った

はっ!しまった!

深く考えずに

知りたい開けたい気持ちだけで

行動に移してしまった

韓国人は他人の家の冷蔵庫を勝手に開ける

という

韓国人の特徴のひとつとして

しばしば紹介されるエピソードが

脳裏に浮かび

一度入り込んだ韓国は抜けきれないのかぁ‥

としょんぼりしながら

開けかけた襖を閉じていたら

この事務所に在籍している人が

「あ~あ 何開けてるの

大したものないからやめて」

という表情で和室に入ってきた

 

「すんません」と小さく呟いたら

「いや わたしも中 気になってたんやけど

開けるとはな~」との声が

いかんいかん

もう40半ばであった

自由に振る舞うオバハン

いかんいかん